記事のまとめ
- 自己資金は「初期費用」+「頭金」の合計
- 初期費用は物件価格の6%~9%程
- 頭金は物件価格の10%~20%程(ただし融資の条件による)
- 1棟アパートの自己資金は物件価格の1割から2割を見積もると良い
不動産への投資を検討されている方の多くは、融資を利用して不動産を取得すると考えているかと思います。株式などを異なり、事前にいくらといった金額がはっきりしていない為、この記事では、実際の事例を下に必要の目安となる自己資金と初期費用についてを解説していきたいと思います。
今回の事例は実際に私が物件を取得した際の金額を例にしています。
1棟アパートの初期費用はいくら必要?
まず、不動産取得の際に理解しておく点として、融資を受ける際に「頭金」は初期費用とは別であるということです。頭金とは銀行からの融資を受ける際に実際に価格のいくらを入れるかということなので、不動産購入の際にかかる費用とは別に考える必要があります。(よく言われる2割を頭金に入れるには、不動産取得の際の初期費用は含まれていません)
実際に、物件価格が約6000万円ほどの木造新築アパートを取得する際には、下記のような初期費用がかかりました。
費用名目 | 金額 | 内容 |
仲介手数料 | 190万円 | 不動産仲介業者への報酬 |
登記費用(所有権移転と保存) | 35万円 | 司法書士への支払い |
登記費用(抵当権の設定) | 32万円 | 司法書士への支払い |
表示登記費用 | 11万円 | 家屋調査士への支払い |
保険料(特約保険10年・地震5年) | 46万円 | 保険会社への支払い |
不動産取得税 | 40万円 | 取得後半年を後に請求が発生 |
合計 | 354万円 |
不動産取得にかかる初期費用は、一般的には物件の約6%~9%までを想定として計算するのが良いと思います。5000万円のアパートを購入するであれば400万前後、3000万のアパートであれば240万前後が初期費用の概算になります。
「オーバーローン」とは、これらの初期費用も含めて融資を受けることで、不動産取得の際の手持ちからの現金持ち出しを最小限にすることで物件拡大のスピードを早める方法として活用されていました。一方で、貸し出し金額が大きくなることや、返済能力の低い対象への貸し出しが起こったことなどが問題視され、現在ではオーバーローンは一般的ではありません。
頭金はいくら必要?
融資を受ける際に必要な頭金は、一般的には物件2割程度を想定すると良いとおもいます。融資の条件によってももちろん変わりますが、新築木造アパートであれば1割程度、中古であれば2割程度、区分のマンションであれば頭金なしというのが一般的な相場です。例えば5000万円のアパートを購入するであれば500万~1000万が概算になります。
フルローンとは、物件価格の100%の融資を受けることを言います。僕の場合は、今回は1棟目の新築木造であったため頭金なしでの融資となりました。
まとめ: 自己資金は物件価格の1割から2割を
必要な自己資金については、どのように不動産の経営を行っていきたいかにもよります。当然自己資金を少なく抑えることができれば、投資としてのレバレッジは効いてきますが、一方で全体の利回りが下がったり、融資の際のローンの利率が上昇したり、最悪の場合はローン返済が行えなくなり、経営として破綻してしまうことも考えられます。
安全に不動産経営を行いたい場合は、頭金を多く入れることで毎月のローン返済の金額を減らすことができます。現在の融資を必要とするアパート経営では、余裕のある資産がないサラリーマンの場合、2割程度の頭金を入れることが銀行からは勧められています。
物件を取得した後は賃貸人の退去や突発的な修繕などにも備える為にも、自己資金に加えてローン返済の数ヶ月分の自己資金を用意しておくことをお勧めします。
その他不動産投資に関しては、こちらも参照下さい。
参考 【先ずはこれから】サラリーマン・OLの不動産投資の始め方